空前の「健康」ブーム

「メタボリックシンドローム」、「メタボリック症候群」、「メタボ」、「特定健診」、「メタボ健診」という言葉は誰でも一度は聞いたことがあるでしょう。

巷にはこうした健康対策の商品があふれ、テレビや雑誌では「健康」をテーマにしたプログラムや特集が頻繁に紹介されています。今やビジネスとして「健康」は欠かせないキーワードとして定着しています。

メタボリックシンドロームの予備軍が約2,000万人といわれている中、国として生活習慣病対策も含めた"生活改善""健康維持"が重要なキーワードとなっています。

「健康」ブームの背景

国の政策では2008年4月1日に始まった「特定健診」が一番耳に新しいですが、こうした政府による国民の健康増進を目的とした包括的な政策としては、「健康日本21」があります。これは2000年から2012年にかけて実施され、国民の生涯を通じた健康づくり、健康増進運動の推進、個人の健康づくりを支援する社会環境づくりが3大テーマです。

こうした国を挙げての取り組みや健康ビジネスの拡大の背景としては、高齢化に伴って「健康」を意識する年齢層が拡大したことや高齢者の全体の人口に占める割合の増加があげられるでしょう。

日本は世界一の長寿国ですが、平均寿命が延びる一方で、がん、心臓病、   脳卒中などの疾患が死因の大きな割合を占めおり、高血圧、糖尿病、高脂血症・肥満症などの疾患によって治療を受けている人の数も多数にわたっています。このような状況のもと、今後医療費の急激な増大が予想されます。

だからこそ、国として国民がより健康的な生活習慣を採用するよう、病気の予防に重点を置いた対策を進める必要があるのです。

健康ビジネスの動向

特定保健用食品、機能性食品(機能性甘味料等)、健康補助食品、栄養機能食品を総称した「健康志向食品」の市場規模は2010年で3.2兆円とも推計されています。

医療制度改革により、2008年度から健康診断や保健指導等の健康増進活動が強化されることになりました。個人の健康に対する関心の高まりを受けて、  健康保険組合等も新たに健康サービスを提供する主体として市場へ参入します。

さらに、全くの異業種からの新規参入企業も増えています。例えば、化粧品・メーカーがサプリメントなどの健康食品を製造・販売したり、写真フィルム、化繊、メーカーが製造技術の過程で生まれた独自の素材や技術を活用し、機能性食品市場に参入するケースが相次いでいます。
このような動きと相まって、既存の健康サービス・商品の市場が一層拡大することが予想されます。

地域活性化にも一役かっている健康産業

こうした「健康」ブームを機に、地域活性化や地域ブランドの確立という視点から、地元企業と提携して「健康食品」を開発する自治体や商工会議所も出てきました。お酒、お茶、野菜など、各地の特産物を利用した健康食品を開発し、地元産業の活性化を図ることを目的としています。健康食品のニーズが高まっていく中、今後こういった動きはますます活発化していくものと思われます。

 

健康産業分野のベンチャーを支援する、 神戸医療産業都市の分子イメージングに隣接する公的賃貸施設。 神戸健康産業開発センター(ハイデック、HI-DEC)

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