変化する結婚事情と少子化の進行

日本の晩婚化は1970年あたりから見られ始め、平均初婚年齢1969年に男性26.9歳、女性24.2歳でしたが、年々上昇傾向をたどり、2005年には男性30歳、女性28.2歳になっています。35年間で男性3.1歳、女性はというと4歳も上がっている計算になります。 さらに、この晩婚や非婚化が大きな要因となって日本の年間出生数は減少の一方を辿っています。1年間に生まれてくる子どもの数は1970年代前半には、およそ200万人でしたが、現在では半減しています。これは親となる世代の人口規模の縮小と、その出生率の変化が関わっています出生率(合計特殊出生率)は、低下が始まる前の1971年の2.16から、2006年には約4割減の1.32になっています。この数値は長期的に人口を維持できる水準(人口置換水準)の2.07よりかなり低く、人口減少と高齢化に拍車をかけることになります。

出生率の低下と経済への影響

このまま少子化が進行すれば、若い労働人口の減少、及び消費市場の縮小につながり、今後の経済成長に多大な影響を及ぼします。
また、高齢化が進むことで年金、医療、介護などの社会保障費が増加して、国民全体の負担が増大します。こうしたことを踏まえ、少子化問題については国ぐるみで対策が練られています。

結婚観の変化

出生率低下の背景には、女性の社会進出が進むにつれ、仕事と育児を両立することの負担の増大もありますが、「生き方」についての意識の変化も大きな理由の一つです。

国立社会保障・人口問題研究所が全国の50歳未満の夫婦・独身者を対象に、5年ごとに行う「出生動向基本調査」では、「生涯を独身で過ごすのは望ましい生き方ではない」という考え方に、1987年は「まったく賛成・どちらかといえば賛成」が61.6%でした。ところが、2002年には46.5%に減少しています。また「結婚しても、人生には結婚相手や家族とは別の自分だけの目標を持つべきである」は、1987年は「まったく賛成・どちらかといえば賛成」が73.5%でしたが、これが2002年になると81.9%に増加しています。このことは、お互いの個性や考え方を尊重し、結婚を二人で作り上げていく人生の出発点と捉える人が増えてきたという見方ができそうです。

国としての取り組み

こうした結婚や出生率の状況に対して、厚生労働省は次のような少子化対策の方針を決めています。

  • 固定的な性別役割分業や職場優先の企業風土の是正
  • 職場優先の企業風土の是正
  • 仕事と子育ての両立のための雇用環境の整備
  • (1)育児休業を取りやすく、職場復帰をしやすい環境の整備
  • (2)子育てのための時間確保の推進等子育てをしながら働き続けることのできる環境の整備
  • (3)出産・子育てのために退職した者の再就職の支援
  • (4)企業の子育て支援の取組みに対する評価等

中小企業への影響

日本の中小企業は、優れた技術やノウハウをもっているが、後継者不在が理由で事業承継問題を抱える企業が多いのが現状です。少子化で若い働き手が減少し、企業間で人材獲得競争が激しさを増していく中、こうした現状はより深刻化していくものと思われます。
日本社会の結婚、出生率の問題は、中小企業の今後の事業展開に密接に関わっているため、中小企業の経営者にとっては注視せざるを得ない問題だといえるでしょう。

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