衰退した帯広市中心市街地の活性化を目指し、行政と経済界が密接な連携を図りながら活性化に取り組んでいる帯広市の特集を掲載します。

帯広市の概要
  • ◇人口:170,149人(平成19年11月30日現在)
  • ◇世帯数:79,478人(平成19年11月30日現在)
  • ◇面積:618.94平方km(平成19年11月30日現在)
  • ◇就業人口:第1次産業 4.7%、第2次産業 19.7%、第3次産業 73.1%
(平成17年国勢調査)
帯広市は、緩やかに傾斜する盆地状の十勝平野のほぼ中央部に位置し、面積は618.94km2で、東は札内川を境に幕別町、西は芽室町、南は中札内村、北は十勝川を境に音更町に接し、市域の約60%は平坦で、他は日高山系の山岳地帯となっている。

気候は、夏は暑く冬は寒い大陸性気候で、四季の変化に富み、年間を通して晴天日数の多さは全国でも有数となっている。

帯広市の産業は、農業を基幹産業とする十勝圏を構成する19市町村唯一の市として、行政サービス、医療、教育・文化、商業・娯楽、情報など、多岐にわたる幅広い都市的サービスを提供している。

人口は、約17万人(平成18年末)で、帯広都市圏を構成する近隣3町(音更町、幕別町、芽室町)を含めると約26万人であり、十勝圏全体の約73%が帯広都市圏に集中している。産業別就業人口の73%が第3次産業への就業となっている。

中心市街地の現状
本市の中心市街地は、平成8年11月に鉄道連続立体交差化されたJR根室本線の帯広駅を中心にバスターミナル、立体・地下駐車場、自転車駐輪場、観光バス駐車場が配置され、本市はもとより十勝圏域全体における交通の要衝として重要な役割を果たしている。

本市の都市的発展は、開拓以来JR帯広駅北側から進められた結果、本市の歴史とともに歩んできた地元百貨店や、各種専門店、飲食店が集積した商店街、市役所をはじめ税務署などの国の出先機関、中央郵便局やNHK放送局などの公共公益サービス施設、総合病院などの医療機関、事業所など様々な都市機能が集積している。

しかし、鉄道連続立体交差化を契機としてJR帯広駅南側の発展も著しく、大型スーパーのほか、総合病院、図書館、市民文化ホール、とかちプラザ(生涯学習センター、定住交流センター)などの新たな公共公益施設の立地が進み、特に、近年は高層分譲・賃貸マンションの建設が進められてきた結果、文化・居住ゾーンが形成されつつある。


JR帯広駅の南側から見た中心街

地元唯一の百貨店狷4櫚
中心市街地の衰退
本市における中心市街地の衰退は、昭和30年代から徐々に進行してきた。人口が10万人を超えた昭和30年代中頃から郊外への住宅団地の造成とともに、住宅地は次第に郊外へ広がりはじめ、クルマ社会の進展と相まって大型商業施設が、郊外に立地するなどの影響により、徐々に中心市街地の空洞化が顕在化してきた。

特に、中心市街地においては、昭和50年から24年間にわたり営業を続けてきた大型スーパー「イトーヨーカドー帯広店」が、平成10年11月に郊外へ移転したことを契機として、より深刻な状況を迎えるに至っている。

帯広市中心市街地活性化基本計画の取り組み
  • (1)概要
    • 本市では、平成10年に施行された「中心市街地における市街地の整備改善及び商業等の活性化の一体的推進に関する法律」に基づき、平成12年度に「帯広市中心市街地活性化基本計画」を策定するとともに、帯広商工会議所では「帯広タウン・マネージメント基本構想」を策定し、行政と経済界が密接な連携を図りながら中心市街地の活性化に取り組んできた。
  • (2)目標
    • /佑反佑箸里佞譴△い鮴犬濬个抗Ψ╂の醸成
    • 都市機能の更なる集約多様な市民が住みよさを実感する都心居住の推進
    • 市街地の整備改善と商業等の活性化に関する事業の集中的、効果的実施
  • (3)具体的事業成果と課題
    1)
    市街地の整備改善

    JR帯広駅周辺で進められてきた土地区画整理事業をはじめとする諸事業はほぼ計画どおり完了した。

    その結果、駅周辺では優良な宅地が供給されたことにより、高層賃貸・分譲マンションの立地が進み、居住者の増加に寄与している。

    図書館を移転新築したことで、利用者の利便性が向上し、貸出冊数、利用人員などを大幅に増やしているほか、地元百貨店内に市民活動交流センターを整備し、新たな生涯学習機会の提供と多様な団体活動の支援をおこなっている。

    しかし、土地の高度利用が図られていない宅地が存在することから、今後とも、これらを有効活用することで、定住人口の増加を図り、中心市街地の活性化を繋げていくことが必要である。

    2)
    商業等の活性化
    新たな賑わいづくりとして、「北の屋台」や高齢化社会に対応した先駆的な取り組みとして「高齢者下宿エバーハウス菜の花」などが事業化され、特に「北の屋台」は、全国から視察に訪れ、全国各地で屋台事業が行われるなど、成功事例として紹介される事業となった。オープン6年が経ち第3期を迎えた現在も、地元客・観光客で賑わっている。

    大規模空き店舗の再オープンを目指した「旧イトーヨーカドー再利活用促進事業」は、帯広商工会議所及び螻垢鼎りおびひろが中心となってテナント入店交渉を続けたが、建物設置者の民事再生法の適用申請、当該ビルの所有権移転なども重なり、まだ実現に至っていない。

    このほか、商店街界隈性創出事業により商店街の環境整備をすすめ、空き店舗対策事業としてチャレンジショップ、商人塾により新規参入支援を行った。

    また、駐車場利便性の向上を検討し、市営駐車場の30分無料化などを実施した。

帯広まちなか歩行者天国事業(オビヒロホコテン)の実施
中心市街地活性化のため、前記のような様々な取り組みが行われていたが、依然として中心部の歩行者通行量が年々減少し、まちなかにあまり元気が感じられない中、「まちなかの再生」に思いを寄せる市民や団体などが、平成18年1月から話し合いを重ね、同年4月に「帯広まちなか歩行者天国実行委員会」(実行委員長:藤本長章帯広商工会議所副会頭)を設立し、歩行者天国開催に向けた取り組みを始めた。

「帯広まちなか歩行者天国」は、まちなかにかつての賑わいを取り戻し、中心市街地の活性化を図ることにより、「まちを訪れる人が増え、人と人との交流が盛んになること」、「まちに住む人が増えること」、そして最終的には、「地域コミュニティの再生」につなげることを最大の目的とした。

特徴としては、多くの市民に共通の認識を持ってもらうため、公共空間(道路)の有益で魅力ある活用方法を広く公募しているところにある。

公募にあたっての視点としては、「帯広・十勝らしい地域性を活かしたもの」、「人と人とが触れ合うコミュニケーションの場」、「老若男女・人もペットも自由に隔たりなく共生できる場」などを重点的に、各種イベントを幅広く募集しており、具体的には、音楽・芸術・文化・環境などをテーマとしたイベント、地場物産(農産物等)の紹介・販売、食の提案や地産地消をテーマとした飲食提供(オープンカフェ)などの実施、社会学習の場、PR活動の場としての利活用を想定している。

そして公共空間(道路)の活用方法を公募するとともに、帯広・十勝に住む多くの人々の参加や来場を促して、老若男女を問わず楽しむことができる場所、世代や背景など様々な垣根を超えて交流できる場所、まちを再発見・再認識してもらう機会を提供している。


開会式で挨拶する藤本実行委員長

第1回目となった平成18年度は、6月18日から9月10日(8月13日を除く)までの毎週日曜日12回開催した。

結果として、帯広商工会議所が毎年実施している歩行者通行量調査も、休日が10年ぶりに増加するなど、毎回数多くの人が訪れ、中心部に活況を呼び戻した。

2年目となる平成19年度も、6月17日から9月9日までの毎週日曜日に、多くのイベントを開催し、述べ16万人を超える来場者で賑わった。

なお、今年は実験的な試みとして、日曜日に来場できない方のために土曜夜間の開催を計画し、「ホコテンシネマ」を7月28日に実施した。


挑戦!日本一長〜いピザ

平成19年度の主な実施イベント内容

  • 働く車大集合!
  • とかちカラマツフェア
  • 帯広北高学校祭イベント
  • YOSAKOIソーラン
  • フラワーブラスフェスティバル2007
  • アートバザール北海道2007
  • ホコテン大朝市
  • 挑戦!日本一長〜いピザ50m
  • まちなか宝くじセール
  • ホコテンライブ
  • シャボン玉ホリデー

この他にも、十勝の食材を用いた料理を食べることができる「フードコート」の設置や、子どもから大人まで楽しめるイベントを開催した。

また、国土交通省道路局社会実験として、「帯広ホコテン・ばんば馬車トランジットモール社会実験」を実施し、帯広駅前の広場、歩行者天国会場、帯広競馬場の3つの会場をばんば馬車で結んだ。そして2千人を超える市民の方々が乗車し大変な人気だった。

今後の課題

●リーダー 藤本 長章
帯広まちなか歩行者天国実行委員会 実行委員長
帯広商工会議所副会頭

2年間実施して、多くの人が中心部を訪れ中心部に賑わいをもたらしました。これまでは、市民が中心部に来る目的が欠落していましたが、歩行者天国を実施したことにより、郊外に出かけていた人が中心部に目を向けてくれました。

しかしながら、中心商店街の売り上げが増加するまでには至っていません。ホコテンを一歩離れた周辺部への回遊もされていません。ホコテンの賑わいは商店街にとって明らかにビジネスチャンスであり、今後の開催の中でいかに商店街の売上増加につなげていくかが大きな課題となります。