監修





中西フードビジネス研究所
代表


中西 敏弘さん

1997年に大手外食コンサルタント会社に入社、1年間の
居酒屋店舗業務を体験した後、約200店舗の様々な業
種(居酒屋、焼肉、カフェ、フレンチレストラン、定食屋、
FR、FFなど)の業態開発、店長教育、アルバイト教育、
接客研修、マニュアル作成、運営顧問など、主に個人
店・中小飲食企業を対象としたコンサルタント業務に携
わる。2001年に大手焼肉チェーン店に転職し、「数値・
情報による意思決定の重要性」「マクロ的な視点で捉え
ることの重要性」「目的意識をもつことの重要性」などを
学ぶ。2003年に「中西フードビジネス研究所」を設立し、
現在に至る。まぐまぐで殿堂入り無料メールマガジン「飲食店経営塾」も発行中。

中西フードビジネス研究所



はじめに

「これからの時代は、店舗経営をしていくには何となくの“KKD”ではなく、裏づけを取った上で
戦略を立てていくことがより必要だと思います」と中西さんは語る。KKDとは、「勘・経 験・度
胸」のことを指している。

「自分自身の経営コンサルティングを振り返ってみても、『あの店がこうやって成功をしている
から』という形で指導をしてきた時代がありました。確かにその当時は、それで成果を上げるこ
とができたんですね。けれど、立地もメニューも業態も違い、さらに変化のスピードは年々増し
ている。こういう時代では、そのお店ならではの条件を加味して考えないと難しいですね」

  その場合、中西さんが重要視するのが調査データであり、「非常にオーソドックスな方法です
が、お客様からアンケートを取ったり、覆面調査を使ったりして、お客様の望んでいるものをお 出し
しましょうという提案をしています」とのこと。

これから紹介するのは、居酒屋に関して、東京、 名古屋、大阪など都市圏約400名から中西フードビジネス研究所が採取・分析したデータである。

新事実?! 「接客サービス」を求めているのは年配層ではなかった!

   設問:あなたにとってどんなお店(居酒屋)なら、また、来店したいと思いますか?
        (いくつでも)

単位:%


c中西フードビジネス研究所


では、このデータを分析して、どんなことが見えてくるのだろうか。 「いちばん驚いたのは、若い世代ほど『接客サービス』に対する要望が高いということです。これは、若い人たちは飲食経験が豊富で、いわば“飲食慣れ”していることがわかりました。ですから、20代〜30代をターゲットとする居酒屋は、今後ますます接客サービスの強化を図る必要がありますね」

さらには「低カロリーなど、健康メニューを居酒屋にはあまり求めていないこともわかりますね。現在、店舗経営者の間では健康メニューなどの導入が必要といわれていますが、お客様は居酒屋にあまりそのようなものを求めていないようです」
中西さんはこのようなデータを基に、店舗経営者とそのお店ならではの戦略を立てていくそうだが、データという裏づけが、戦略の道筋を明るく照らしてくれるのである

「考える力がない」のではなくて「考える習慣がついていない」だけ

「顧客の声」を真摯に受け止めよ!!

お客様の「利用動機」をしっかりとつかめ!!

「楽しさ」を作れ!!

「接客サービス」で差別化を図れ!!

「女性層」を確実に取り込め!!

お客様を「飽きさせるな!!」

スタッフの「モチベーション」を高めることを意識せよ!!

であるとのこと。特にГ離好織奪佞離皀船戞璽轡腑鵑砲弔い討蓮長年の試行錯誤の末に行き着いた結果、「マニュアルに頼り過ぎないこと」だったそうだ。

「経営者の方からは『ウチのスタッフはいわないと何もやらない』という言葉を耳にします。しかしよく考えてみると、彼ら彼女らは『考える力がない』のではなく、『考える習慣がついていない』だけなのです。そして、経営者の方も自分で動けるように教育をしていないから、彼らが何もできないのではないでしょうか」

中西さんがスタッフの人材教育を行っていく際は、まず「皆さんがお客さんとしてこのお店に入って来た時に、どのように対応してもらったら『すごくいいお店に来たな』と思いますか?」という質問を投げかけるそうだ。そして「笑顔で対応してもらいたい」「大きな声でいらっしゃいませといいながら、早く入り口まで迎えに来てほしい」「目を見て対応してもらいたい」などの答えを、できるだけ多くスタッフから引き出し、たどり着いてほしいゴールを具体的にイメージしてもらう。そのうえで実際のロールプレイングに入っていくそうだ。




中西フードビジネス研究所の資料から

「経営者の方がうまくリードしていけば、スタッフは『自分で考えて答えを導き出す』ようになります。そうなると、サービスレベルはどんどん向上していきます。お客様の満足度(CS=Customer Satisfaction)を高めるには、まず自分たちのお店の社員の満足度(ES=Employ Satisfaction)を高めようという意識は、今後ますます高くなっていくでしょう。スタッフのやる気を引き出す経営が、成功への重要な要素といえますね」