監修

マイスター・コンサルタンツ
代表   

小池 浩二さん

1985年大手経営コンサルティング会社入社。福岡拠点の基盤づくりに奔走し、拠点の経営を軌道に乗せた後、東京へ拠点開設のために転勤。持ち前の卓越した戦略で最大拠点を作り上げ、退社。中小企業専門の経営コンサルタントとしてマイスター・コンサルタンツを創業。実践に基づいた「中小企業の基礎打ち屋」として、中小企業戦略のシステムづくりを研究。これまで300社以上の中小企業経営に関わり、経営診断、経営顧問、研修などを行ってきた。現在、マイスター・クラブ主宰、横須賀継栄塾塾長。神奈川商工会連合主宰の創業塾講師、神奈川県中小企業経営センターの経営アドバイザーでもある。


マイスター・コンサルタンツHP


中小企業はもともと倒産する運命?!

「中小企業は、ただ経営していたら倒産してしまうようにできているんです」と、マイスター・コンサルタンツの小池さんは語る。いきなりドキッとするような発言だ。それはなぜなのか。中小企業とは一体どのような特徴があるのだろうか。

大企業との第一の違いは、社員の価値観や目標がそれぞれで異なること。組織というのは大企業の場合、自分の会社を志望した新卒学生から優秀な学生を選抜して採用し、目標を共有した組織を形成することができる。だが、多くの中小企業の場合、「たまたま近所にその会社があった」「親戚がそこで働いているから」など、地理的条件や縁故などで会社選びをした人を採用しているところが多いはず。価値観や目標が違って当然である。「私はその状態をあえて『人間動物園』という言葉で表現しています」と小池さんは言う。

さらに、「オレの背中を見れば皆わかってくれるはずだ」的な経営スタイルに陥りやすいことが、中小企業の特徴の第二である。中小企業の社長は好奇心旺盛で、情に厚い。社員とその家族を自分の家族のように考え、責任を背負い込む。経営にいつも危機感を抱き、解決策を考えようとする。しかし、経営者1人で解決出来ることには限界がある。それを補佐する役員・幹部が問題解決に協力してくれればよいが、多くの会社では経営者と役員・幹部間に差がありすぎて、解決できない事が多い。その結果、経営者の孤独感は強まる。

小池さんは「物作りに技術があるように、経営にも“技術”があるんです」と語る。企業経営とは環境適応業であるべきで、時代とともに柔軟な変化をしていかなければならない。特に「人なし・モノなし・金なし・管理なし」のないない尽くしの中小企業こそ、“経営の技術”を身につけなければならないのだ。


会社の身の丈の中に伸びしろがある

「社長のやる気=頑張リズムだけでは続かない。思いつきの経営から脱皮することです」(小池さん)とのこと。そして、小池さんは中小企業の5つの弱みと対処法を挙げている。

当たり前のことに対する習慣づけの問題
→特に報告・連絡・相談・指示は、呼吸するかのごとく自然にできるまで徹底する。

数値を使って判断する習性が付いていない
→日本語で一番正しい言葉は数値。これを用いないと感覚のやりとりになり、成果は出にくい。数量、期限などを数値化すること。

「ルールと基準作り」が苦手である
→会社運営の2大要素のうち「活動」ばかりに目がいって「管理」を怠らないこと。必要な機能は何かを考え、組織図だけの組織を作らないこと。誰でもできるように仕事を標準化すること。

会社の道しるべがない
→寄せ集めである組織に方向性や道順を示す、会社の経営理念や短期・中長期目標を作るべきである。

組織を動かす人・仕組みの問題
→マネージメント=決め事を決めたとおりにやらせること。ハウツー=誰でもできるように仕事を標準化すること。この2つを徹底する。

「中小企業の基礎打ち屋」として、今まで300件以上の企業コンサルティングの実績を持つ小池さんいわく「当たり前のことを当たり前のようにやれば伸びる、つまり身の丈の中に企業成長の伸びしろがあるんです。身の丈に合った経営を行い、ワンランクずつアップしていくために必要なのが“経営の技術”になるわけですが、それは非常にベーシックなものであって奇策ではありません」とのこと。 銑イ鬚發箸法⊆社の課題を洗い出してみてはいかがだろうか。


継栄に必要な7つの基盤とは?

さらに、マイスター・コンサルタンツでは、“経営の技術”をより具体的かつ詳細に原則化している。それが「マイスター式継栄3態原則」と呼ばれるもの。継続して繁栄するという意味を込めて“継栄”という言葉を使っているのだそうだ。


詳細はマイスター・コンサルタンツHP参照

小池さんによれば「経営基盤の強さが会社の寿命を決めてしまう」とのこと。また、経営基盤の種類は7つあり、基盤が出来ていく順番も決まっているという。企業の5つの成長ステップの中で、7つの基盤を見ていこう。

ステップ1

創業期は、生きていくために必死で、数少ない顧客に喜ばれることのみを考え、朝早くから夜遅くまで寝る間を惜しんで働く。その姿勢が認められ、仝楜甸霹が少しずつできあがり、提供する⊂ι粉霹も少しずつできあがる。そして先導者としての社長の姿勢が自然と会社のI土基盤を形成していく。この状態は会社の成長軌道における基礎固め時期である。


ステップ2

会社の人数が増え始め、会社が急激に大きくなる急成長期がくる。この期で全社員が1人3役・5役ではなくなり、1人2役ぐらいで業務をこなしていく。そうなると、営業部門、製造部門、総務部門などの原型ができはじめる。これがさ’輯霹のできはじめである。
そして、機能基盤で組織図が描けるようになると、成長軌道の安定期に入っていく。安全期とは「会社が安定した状態はなく、そこそこ基盤ができた状態」である。メーカーで3億、商社で7億、小売で5億ぐらいの年商になる。

ステップ3

企業規模も20人、30人と大きくなる。会社の規模が成長したから、基盤もさらに強化されていると思いたい。しかし、逆に弱っていることが多い。今までより「バラバラ状態」になることが多い。安定期に入るとは「経営者が現場かの仕事から離れても現場が回る状態」でもある。そうなるとオヤジの背中を感じ、風土を形成してきた中小企業には、「お手本」が現場から無くなるので、代わりに「語り部」の存在が必要になる。しかし居ない。
また、創業期にお世話になった顧客・商品がこの規模になっても貢献してくれているとは限らない。販売・製造することで赤字になっている顧客・商品は創業期からのお付き合いのケースが多い。

ステップ4

安定期の次の成長軌道は膨張成長期である。エリアの拡大や設備増強にともなう拡大であるが、中身がともなっていないことが多いので、成長ではなく膨張傾向となる。この多面的な展開には必然的にズ睫慨霹が条件となる。創業期から培ってきた経営者の個人資産や信用、そして規模的成長を担保とする内容が、財務基盤として活用できはじめる。そして人数増加にともない、必要となるのが「ルールと基準の整備とシステム化」である。「社長が歩くルールブック」から脱皮し、会社の仕組みづくりに取りかからねば、ロスの発生が増加したり、効率が悪化したり、収益性が極端に落ちる。この段階でΥ浜基盤の強化に着手し始める。

ステップ5

そして最後に「会社の成長スピードは人の成長スピードより確実に早い」現実に悩まされる。経営者は自分と差が広がりすぎた幹部の教育・育成に力を入れ始める。そして幹部の成長スピードにイライラしながらЭ雄犂霹が少しできあがるのである。



節目の企業規模を突破しようとする時は、
必ず節目に対応する経営基盤の見直しと再構築が必要になる。