イタリア料理店マリーノ

鈴木理恵さん 

イタリア料理店マリーノは1998年5月静岡県沼津市で開店。シェフの鈴木啓三郎さんはイタリア・ローマなどで修行を積み、帰国後、ホテルの料理長に。奥様の理恵さんは、フラワーコーディネーターとして同ホテルに勤務。サイトオープンは2000年5月。その1年後、メールマガジンの発行スタート、現在、約3,300人の読者数を誇る。


メルマガに店のプライベートを載せると、大きな反響が!

最初はテーブルの横に置いた登録用紙にメールアドレスを書いてもらったお客さんに向けて、メールマガジンを発行。創刊時は20名ほどだったという。
「初めは、新メニューをただ告知するような内容だったのですが、メルマガの存在を教えてくれた方が『宣伝もいいけど、もっとプライベートなことを書いてみたらどうか』とアドバイスしてくれたんです。それで、お店の名前の由来、さらにシェフや私のプロフィールを書いてみたら、その反応が凄かったんです」

その後も、親しみのある内容のメルマガ配信を心がけていった理恵さんは、徐々にある“確信”を抱くようになっていった。「メルマガって宣伝じゃなく、シェフや私を信頼してもらうためのツールなんだなと。信頼できる人間が提供する料理だからこそ、お客様は当店で食べたいと思ってもらえるのかなと思うようになったんです」

もちろんメルマガ内では、料理の掲載も怠りはしない。しかし、理恵さんには「売り込もう!」という気持ちは一切ない。メルマガ創刊2号目の出来事――。
「商品単価の高い料理を紹介したんですね。料理の作り方やこだわりをストレートに書いたんです。1,800円ほどするパスタなんですが、すごい人気になったんです。うそ偽りなく伝えれば、お客様の心に響くなんだなと感じました」




お客さんとの心と心の会話が重要だと痛感

現在、マリーノのネット戦略は、メルマガを配信し、それを読んだお客さんがホームページにアクセスし、その料理の画像を見て「すぐに行きたい!」と思ってもらえるような流れを念頭に置いているという。ホームページの写真はすべて理恵さんが撮影している。

ところで、ネットを活用し始めたことで、お客さんとの会話が弾むようになったと理恵さんは話す。
「私自身、元々は人見知りの性格なので、お客様との会話が苦手だったんです。開業時なんて、ただ注文を聞いて、料理を運ぶだけでしたから(笑)。これでは、接客業失格ですよね。でも、メルマガを配信するようになって、お客様から『メルマガに書かれていた料理が食べてみたい』などと言ってもらえたりすると、自然に話が盛り上がるんです」

お客さんは味だけを楽しみに来ているわけではない――。
「そうなんです。120%の料理を提供することは当然ですが、それだけでは、お客様は満足してはくれません。どれだけ心と心の会話ができるのか。その点が大切だと痛感しています」


予約サービスでは、理恵さんのスキルを最大活用!

マリーノではネット上からの予約サービスも実施している。飲食業がネットを活用する場合、こうした予約サービスはもはや定番だが、同店では、一歩も二歩も踏み込んだ予約サービスを行っている。その一つがフラワーアレンジメントや花束のサービス。実は、理恵さんはフラワーコーディネーターの肩書きも持っており、そのスキル(技術)を自店のサービスに生かしているのだ。
「ネット上ですと、お客様は『恋人にこんなお祝いをしてあげたい』などの要望を、店側に伝えやすいんですね。電話だと話しづらいことも、メールだと書き込みやすいんでしょうね。そのリクエストを受けて、120%の満足感をお客様に与えるように努力しています」

マリーノの立地条件はそれほどいいとは言えない。しかし、現在では、週末のお客さんの約半分は県外から数多く訪れる人気レストランになった。
「いま一番考えているのは、食の大切さを伝えていきたいということなんです。例えば、添加物の怖さなどを伝えることは、プロである私たちに与えられた使命だと思うんです。それが結果として、お客様の信用にもつながると、私は信じています」



「イタリア料理店マリーノ」の成功法則
(1)立地の悪さをネット活用で補った
(2)お客様との心と心の会話を大切にした
(3)予約サービスにも“ひと工夫”を加えた