ところてん、こんにゃくなどの 製造・販売
栗原商店

栗原康浩さん  

明治2年開業。所在地は静岡県清水町。小売店への卸しがメインだったが、バブル崩壊後、方針を転換。2000年10月にはネット通販事業に乗り出す。06年5月には実店舗もオープン。


お客さんに直接売れるという手ごたえを得て、ネット通販に!

同社がインターネット販売に乗り出したのは、2000年10月のこと。
「雑誌の通販などに掲載してもらったことで、お客様に直接売ることができるんだなと実感したんですね。突き棒で押し出して食べるというスタイルも、お客様にとっては、楽しいことなんだなと。それならば、雑誌通販などとは違う方法でお客さんにアピールしたいなと思ったんですね」

近隣の同業者が楽天市場に出店したのを機に「よし、それだ」と栗原さんも「ところてんのお店――伊豆河童」という名前で、同モールへの出店を決意する。
「でも、最初はまったく売れませんでした。でも、メールマガジンを発行すれば、少しだけでも売り上げに結びつく。自分が動けば動くほど、売り上げは上がっていくのが分かったんです」



01年6月、栗原さんは、同モールのお中元コーナーに5万円の広告を打つ。
「50万円売れたんです。これはスゴイなと。もっと真剣に取り組んでいけば、必ず結果が伴うなと感じました」

楽天市場が主催する泊まりがけのセミナーなどにも積極的に参加、その努力に報いるかのように、同社の売り上げはアップしていった。

小さな釜で、本当に美味しいところてんを作る決心を!

ネット通販での売り上げアップに確かな手ごたえを感じた栗原さんは、2003年、スーパーへの卸しを徐々に断り始める。そして、ある勝負に出る。「それまでは、大きな釜で、いい天草も悪い天草も、一緒に放り込んで煮ていたのですが、それだと、どのくらい煮えているかが確認しにくかったんです。多くのお客様は『美味しい!』と絶賛してくれていましたが、なかには『スーパーのものと味がそれほど変わらない』という声もいただいていたんです。それで、社長と話し合った結果、小さな釜で、いい素材のみを使い、しっかり煮具合を確かめながら作っていこうということになったんです」



大きな釜から小さな釜へ――。その結果、こんな声がお客さんから多く寄せられることになる。
「『こんな美味しいところてんは食べたことがない!』という声が、どんどん届きました。すごく嬉しかったですし、もっと美味しいものを提供しようという気持ちになりました」

その後、ところてんに付ける「タレ」の種類も増やしていった。実は、ところてんは、地域によって付ける「タレ」が違うのだ。例えば、関西では「黒蜜」、九州では「ポン酢」など、多種多様なのだ。現在、タレは11種類を揃えている。また、突き棒は、ヒノキで作られているなど、一切の妥協はない。


06年5月には実店舗もオープン。カタログ通販も視野に!

2006年5月20日、同社は工場の横に直営店舗を構え始めた。東名高速道路の沼津インターを降り、伊豆に向かう車中から、同店を見ることができる。
「工場の立地条件も悪くないんですから、実店舗も構えるべきだと思ったんです。今後は、こうした実際のお客様もどんどん増やしていきたいんです」


さらには、今後、カタログ通販にも力をいれていくつもりだ。
「例えば、現在、楽天市場というモールに店を構えていますが、それは、ある意味、他力本願な部分もあります。楽天がなくなったら、一気に経営がひっ迫することは避けなくてはいけません。そのため、独自ドメイン店もスタートさせましたし、カタログ通販や実店舗のリアルなお客様もつかんでいきたいんです」

現在、全売り上げの7割を楽天市場で占めるが、徐々に、その比率を分散していきたいと栗原さん。直営店舗、カタログ、ネット通販――。これらを連動させて、同社は、さらなる飛躍を狙っている。

「栗原商店」の成功法則
(1)小さい釜に変更するなど味へのこだわりを徹底させた
(2)お客様が満足する販売スタイルを築いた
(3)ネットだけでなく、実店舗などにも力を入れた