お好み焼、もんじゃ焼などの飲食業
さくら亭

秦昇司さん  

1996年開業。JR原宿駅から徒歩8分のところにあり、一軒家を改装した隠れ家のような店内が人気。サイトの開設は2000年10月。秦さんが入社し、05年3月、サイトを完全リニューアル。


味はもちろん、雰囲気を楽しめることで大人気のお好み焼屋

取材当日は夏休みということもあり、お店は大繁盛。普段の平日でも金曜日の夜などは、予約なしでは“待ち”を覚悟しなくてはいけない人気店――、それが、東京・原宿に店を構えるお好み焼屋「さくら亭」だ。一軒家を店舗にしているため“隠れ家”のような雰囲気を醸し出しており、個室も多い。さらに、それぞれ個室の壁には異なったアートが描かれている。味だけではなく、見て楽しめて落ち着けることが、その人気につながっている。

お好み焼きやもんじゃ焼き、焼きそばなどをお客さん自身が焼くスタイルも“自由に楽しみたい!”という今の風潮にぴったりだ。


月の売り上げは、前年同月比20%アップを記録し続けており、その快進撃は、まだまだ続くに違いない。

しかし、同店が“繁盛店”になったのは、1996年の開業後すぐのことではなかった。
「当店は、東京・原宿の人気エリア“裏原宿”にありますが、とてもわかりにくい場所にあり、エリア内も複雑なんです。ですから、開業当時、お客様を呼び込むことは、とても難しかったんです」(ウェブ担当・秦昇司さん)


グループ会社のウェブでの成功を見て、さくら亭もサイトに力を入れる決意を!

実は、裏原宿の周辺は、店の宣伝チラシの配布禁止エリア。思うように宣伝をすることができない“弱点”を抱えている。それでも開業後、主にクーポン雑誌やグルメ雑誌などのメディア、さらには2000年に自社サイトも立ち上げるなどを努力で、徐々にではあったが集客数は上がっていった。しかし世間一般でいわれる“繁盛店”と呼ぶまでには程遠い状況だった。

お客さんの数をもっとアップさせないといけない。そのとき、さくら亭が起こした行動――、それはウェブ専任担当者の雇用だった。それが、秦昇司さんである。


実は、同店のグループ会社が、外国人にゲストルームを案内する事業を行っているのだが、その成功を支えたのがウェブだったのだ。だからこそ「さくら亭」でも、ウェブ専任担当者をつけて飛躍を狙ったのだ。

04年12月に入社した秦さんがまずチェックしたのは、自社サイトのアクセス数だった。「00年の開設以来、ずっと1日200アクセス程度だったんです。これはサイトに魅力がないんだなと感じましたね。でも例えば、SEO対策やSEMで検索エンジンの上位表示を実現してもサイトの完成度が低く、魅力がなければ“アクセス→来店”という形を作ることはできません。そこでまずは、魅力あるサイト構築を目指そうと考えました」

自店の強みを全面に出し、更新頻度の高いサイトを目指す!

魅力あるサイトを作るために、まず秦さんは「美味しいお好み焼きともんじゃ焼き」を全面に出そうと決めた。
「飲食店ですから、まずは“美味しさ”のアピールは欠かせません。そこで商品写真はもちろん『焼き方講座』なども載せていき、その美味しさを訴えていきました」



秦さんは、競合他店のサイトもチェックしていった。すると、他店にはない、ある“強み”を見出した。

「お店の作りですね。隠れ家的な要素があり、アートも描かれている。そのアートも定期的に変わります。『見て楽しめて、味も楽しめる』――、この点をサイト上で表現していこうと思いました」


さらに他店の優秀なサイトをチェックしていくなかで、もう一つ、重要なことに秦さんは気づくことになる。「更新頻度の多さ」である。

「お客様が何度もアクセスするサイトの多くは、よく更新されているんです。なぜかといえば、新しい情報が常にあるからなんですね。通販サイトであれば、新商品を頻繁にアップしていけば、必然的に更新回数は増えますが、飲食業は、そうそうイベントがあるわけではないため、サイトの更新は、けっこう大変なんです」

しかし、頻繁な更新なくして、アクセス増は望めない――。秦さんは、ある大胆なアイデアを実施することを決意した。


後編に続く