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プロフィール
【名前】
鈴木公明
【職業】
東京理科大学 知的財産専門職大学院 教授
東和知的財産研究所 所長
弁理士
【プロフィール】
1990年東京大学卒業、キヤノン(株)知的財産法務本部を経て特許庁入庁。制度改正審議室、特許・実用新案審査、意匠審査等を歴任後、2005年より現職。 2006年より不正競争防止法違反物品水際対策懇談会委員。 2007年弁理士登録。 2009年より東和知的財産研究所所長。 著書に『知的財産のデューデリ』(編著)、『特許価値評価モデル(PatVM)』(共著)、『知財戦略の基本と仕組み(編著)、『知財評価の基本と仕組み』、『IT知財と法務』(共著)、『知的財産の価値評価』、『工業所有権法逐条解説』(部分執筆)など。 論文、講演多数。
【所属】
東京理科大学/東和知的財産研究所
【性別】
男性
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2009-09-06 (Sun)
海外における著作権の証券化(1)
ボウイ・ボンド

 デビッド・ボウイは1997年に、1990年以前の著名な25の初期アルバム、300曲に関する将来15年にわたるロイヤルティ収益を背景とする債券を発行しました。これが「ボウイ・ボンド(Bowie Bonds)」と呼ばれているものです。
 ボウイ・ボンドは、平均残存期間が10年、最終償還期限が15年の確定利付債券で、ムーディーズによりA3の格付けを得ました(その後、2004年5月の見直しで、格付けがBaa3に引き下げられました*)。私募によって全額を引き受けた、機関投資家のプルデンシャル・インシュランスは、米国10年国債の利率が当時6.37%であるのに対して、これを上回る7.9%の利子を得ることになりました。
 一方、デビッド・ボウイはボウイ・ボンドの売却によって、5,500万ドルの一時金を調達することができました。将来のロイヤルティ収益が元利金の返済にあてられることとされています。
 ボウイ・ボンドの成功の背景として、@デビッド・ボウイが毎年100万ユニットの音楽ソフトの売り上げを誇り、安定したレコードセール/原盤ロイヤルティ収益(実演家に支払われるもの)を見込めること、A契約により、毎年の著作権使用料の最低支払額(ミニマム・ロイヤルティ)をEMIから保証されていること、及びB音楽出版ロイヤルティ収益(作詞・作曲者に支払われるもの)が別途、デビッド・ボウイの大きな収入源となっていること、が指摘されています。

ボウイ・ボンド成功の背景

@ 安定的レコードセール/原盤ロイヤルティ収益
A 契約によるミニマム・ロイヤルティの保証
B 音楽出版ロイヤルティ収益の存在

 アーティストは一般に、自らの作品を手放したくない一方で、著作権からの収益を早く手に入れたいと願っていますから、著作権ベースの証券化は、アーティストにとって好ましいシステムであるということができます。

ボンド・ボンド

1999年3月、複数の映画の収益を背景とする、総額5兆リラ(2億8,000万ドル)の証券化債券が、イタリア最大の映画会社チェッキ・ゴーリ(Cecchi Gori)により発行されました。同社は、1,000以上の映画に関する権利を保有していますが、今回の証券化の対象となる映画の中にジェイムズ・ボンド(James Bond)ものが含まれていることからボンド・ボンド(Bond Bonds)という冗談のような名前で呼ばれています。債務の返済には、映画興業収益、ビデオの売り上げ及びテレビ局からのロイヤルティ収益があてられます。

ディズニー

ユーロディズニーが開業した1992年、ディズニーは期間7年、4億ドルの無担保債券を発行しています。この債権には、計画中であったディズニー映画の著作権ポートフォリオに基づく、将来の興業収益に依存する変動利率が設定されていました。
なお、ディズニーは1997年にも、東京ディズニーランドの将来ロイヤルティ収益(入場料収入等)を背景に6億ドルの債券を発行しています。同年11月、総事業費3,380億円の東京ディズニーシー計画が発表され、2001年9月の開業は読者の皆さんもご存知の通りです。
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