サントリー株式会社

創業 1899年
設立 1921年12月1日
従業員数4,398名(2006年12月31日現在)

http://www.suntory.co.jp/
はじめに

脂肪の吸収を抑えるトクホとして、店頭やテレビCMでもお馴染みの「サントリー黒烏龍茶」。近年のメタボリックシンドロームに関する関心の高まりも追い風になり、発売からわずか3週間あまりで年間目標の半分を売り上げ、現在もコンビニや居酒屋などで幅広いユーザに親しまれています。
この「サントリー黒烏龍茶」の誕生から成功までの軌跡をご紹介いたします。

「黒烏龍茶に吹いた追い風」
2006年5月8日、厚生労働省は日本人中高男性の2人に1人は、メタボリックシンドローム(代謝異常症候群もしくは内臓脂肪症候群)の予備軍であると発表した。

メタボリックシンドロームとは内臓脂肪型肥満に高血圧や高血糖、高脂血症のうち2つ以上を併せ持った状態である。メタボリックシンドロームの原因の1つとして、脂肪の蓄積があげられた。

このニュースが流れ、メタボリックシンドロームや肥満、健康に注目が集まる中、「サントリー黒烏龍茶」の発売を間近に控えていたサントリー健康飲料部は成功を確信した。「サントリー黒烏龍茶」は脂肪吸収を抑えるウーロン茶重合ポリフェノールの働きで、食後の血中中性脂肪の上昇を抑制。脂っこい料理が好きな人、食事をする時に脂肪を気にする人、健康志向の人向きの商品であり、さらに健康への効能を具体的に表示することが厚生労働省より許可された特定保健用食品(トクホ)であったためだ。

トクホとは?

健康の維持・増進に役立つことが科学的に証明され、厚生労働省に認められた食品のことである。トクホを取得することによって「脂肪の吸収を抑える」などの具体的な効能を表示することが可能になる。
“ウーロン茶”へのこだわり
2002年、マーケティング担当者と研究者らによって、健康飲料の開発を目的としたプロジェクトチームが立ち上がった。1981年の「サントリーウーロン茶」発売以来、ウーロン茶の販売や研究を続けてきたサントリーは、ウーロン茶が健康に良いというイメージを打ち出した先駆者であったことの自負と、脂肪吸収を抑える商品へのニーズの高まりから、脂肪吸収を抑えるウーロン茶をつくることを決めた。

他の追随できない商品を作るためにウーロン茶重合ポリフェノール(OTPP)でトクホを取得することを目指した。ウーロン茶にはOTPP以外にもカフェインなど脂肪の燃焼を助ける成分が含まれているが、ウーロン茶であることの意義にこだわった。

トクホの取得には約2年間を要した。特に困難だったのが効能となる成分とウーロン茶としての味、香りとの両立であった。あくまで食事と一緒に楽しく飲んで、食生活を改善できるウーロン茶であり、さらに無香料無添加でつくることにこだわった。最終的に企画立案から発売までに丸4年かかった。

「中性脂肪に告ぐ」。コアターゲットに効果のある広告宣伝

広告宣伝やパッケージにもきめ細かい活動を行った。ウーロン茶の持つ伝統とトクホであることの新しさを表現しようとした。ウーロン茶には中国4000年の歴史や文化が持つ安心感やナチュラル感があり、健康飲料であるというイメージを生かしたいという想いがあった。

広告ではテレビCMのほかに、交通広告やコアターゲットである中高年男性が読みそうな雑誌にも積極的に掲載した。特に交通広告は通勤中に目に付きやすい為、普段テレビを観ない中高年男性には効果的であった。キャッチコピーも「中性脂肪に告ぐ」という警告的なものを採用し、強いメッセージを発信した。 パッケージカラーには黒を採用した。飲料業界では特定の商品を除いて、黒はあまり清涼飲料のパッケージカラーには向かないという見方もあったが、黒の持つ自信や重み、真面目さが、コアターゲットである中高年の男性に商品を訴求するには合うということで、あえて黒を選んだ。


現在放映中のCM
パイオニア飲料で市場活性化

「サントリー黒烏龍茶」は2006年5月16日の発売開始からわずか3週間で年間目標の半分にあたる100万ケースを販売。9月中旬には350万ケースを超え、最終的には当初年間販売目標の3倍近い売り上げとなった。

現在は、居酒屋や焼肉のチェーン店などでのメニューへの採用などが進み、さらに新CMなど新たな広告宣伝をすることで、コアユーザー以外の女性などの幅広い層に購入されている。
今後も一過性のブームではなく、ライフスタイルの一部となり長く愛されるような商品に育てていく狙いだ。